AI時代のコンヴィヴィアリティ-2023年度橋本ゼミテーマ-

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2023年度がスタートしました。動き出しが遅い所でも、長く続きてきたコロナ禍からの脱却を目指す時期にきているなと思っています。もちろん我々も動き出しています。そこで、今年、橋本ゼミでどんなことをやっているのかを紹介します。

知識を得つつ、議論を行う

ゼミでは様々な活動を行ってはいますが、「大学」ですから知識を得て、議論を行うことは基本だなと思っています。主に、3年生の前期は集中的にこの期間としています。

特に、「知識を得る」ということが、「今役立つハウツーを効率よく取得する」というような理解がされてしまいがちな所、「苦しみつつ理解をしていく」とか、知識を得る前には戻ることができない(異なる視座が増える)といった大きな変化を伴うような知識を得ること、そこに至るような議論を行っていきたいと思っています。

本の紹介

知識を得ること、議論を行うことのベースには本を読むことがあります。3冊の本と、2冊の一部分を読んでいます。

まずは、ゼミのテーマが「しなやかなソーシャルイノベーションの実現」ですので、ソーシャルイノベーションに関する基礎的な知識を得ることを目的に、以下の2冊の本の第1章を読んでいます。

ソーシャルイノベーションに関する、ヨーロッパ的なものとアメリカ的なものを合わせて考えていきます。

地域のことに携わらせていただくことも多いので、事例的な知識を得ることを目的に、こちらを読んでいきます。

千葉県流山市と他地域を比較することで、特徴が見出せるのでは?と考えています。

深く考えること、大学で学ぶということの意味を考える題材は、長岡健(2021)「みんなのアンラーニング論」を取り上げます。

P228に「『自分はそもそも何を目指し、なぜ学ぶのか』という問いかけに真摯に向き合うことで、大学での学びが本当の意味で充実したものになると、私は考えています。」とあります。

この問いに向かい合っていきます。

また、「学習の手段化」という本書の重要キーワードについても考えていきたいと思います。

チャレンジングな本として、こちらに挑みます。薄い文庫ですが、当然さっと読めるような本ではありません。皆で格闘していきたいと思います。

50年以上前に書かれた本ですが、その含意はAI時代においてどのような意味を持つのかについて考えていきたいと思います。

AIをどう使うのか? AIとどう付き合っていくのか?を考えるにあたり、AIに触れることはもちろんですが、思想的な背景についても同時に考えていきたいと思っています。

大学とは? 研究室とは?

3年ほど続いたコロナ禍は必然的に色々なことを考えることになりました。私自身体調を崩すこともあり、また様々なことを一旦諦めざるを得ないことも重なりました。それゆえ、逆にゆっくりと考えることができたり、今までに引きづられることなく考えることができるようになったとも言えます。

その中で得た一つのことは、ゼミとして、研究室としては、「一歩半前のことをやろう」というものです。

どうしても、すぐに役立つ、実践的なものが求められます。しかし、それはどうしてもこれまでの延長線上にならざるを得ません。また、確実性が求められたりもします。これらが重要であることは間違いないことですが、それだけいいのか?とも思います。

他方、研究などでは2歩前を行なっている方々も多くいます。大学業界では世代交代が進んでいて、自分よりも若い世代が多く活躍されています。これらもとても重要なことです。しかし、(少なくとも今の)私には難しそうなことでもあります。

そこで、今できることは一歩半前を見ることかなと思っています。

学生たちにとっては、今すぐの「就活」に役立つことではなく、仕事をする上で役立つことと言えるかもしれません。

また、社会の方々には、今役立つことではなく、もしかしたら来るかもしれないし来ないかもしれない未来のことを一緒に行うといったことかなと思います。

失敗しそうなことを一緒にやりませんか?

コロナの時代から次の時代がスタートしているようです。その中で、いろいろと声をかけていただける機会も増えました。

もし、こんな「役に立たなそうな」ゼミと一緒に何かやりたいという人がいらっしゃいましたら、まずはお声がけください。簡単にまとめれば、「失敗しそうなことだから一緒にやりませんか?」が一番嬉しいかもしれません。

自分なりのバランス感覚なのですが、単に天邪鬼なだけかなとも思います。

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