目次
初めに
こんにちは。はじめまして、橋本ゼミ11期生の大田龍之介です。私が所属する橋本ゼミでは今年の瑞木祭で過去にゼミで行ったことを調べ、評価するということを行いました。この活動を通して私は『FACTFULNESS(ファクトフルネス)10の思い込みを乗り越え、データを基に世界を正しく見る習慣』という本に出合いました。この本を読み進めていく中でTrendalyzerというソフトを知り、魅力を感じました。
皆様はTrendalyzerというソフトをご存じでしょうか。Trendalyzerとは統計アニメーションソフトで、「情報をよりわかりやすく伝達」、「データを可視化」する点で非常に優れてます。この報告書ではいかに優れているか、価値について記していきたいと思います。
Trendalyzerとは
『FACTFULNESS』の著者であるハンス・ロスリング氏はギャップマインダー財団を設立し、自由にアクセスできる公共統計の利用と理解を高めることにより”事実に基づいた世界観”を促進することを目的として、Trendalyzerというソフトを開発しました。
Trendalyzerは大量の公共データから必要なデータを簡単に抽出することができるツールです。人口、収入などの基本的な項目から世界情勢、社会問題等の膨大な統計データを内蔵しており、これらの膨大な数値を5次元で一度に見ることができます。また一番の特徴として、過去から現在の推移を動的に見ることができます。
上記4枚の画像は縦軸に平均余命を、横軸に一人当たりのGDPをとったグラフです。平均余命は国の健康状態、一人当たりGDPは経済状況を表しています。このグラフから時代の経過とともにその2つがどのように変化してきたかを追うことができます。またこの画像からは分かりませんが国ごとにデータを追うことができたり、違う項目を差し込むことができたりと多くの活用法があります。
新たなデータ
私がTrendalyzerを使っていて気になったデータを紹介します。
突然ですが日本の幸福度は低いと言われています。2022年の日本の幸福度ランキング(World Happiness Report)は54位です。しかしこのグラフを見てください。縦軸を幸福度スコア(WHR)、横軸を一人当たりのGDPでとったグラフです。上に行けば行くほど幸福度が高く、右に行けば行くほどGDPが高いです。
このグラフを見れば分かるように日本は決して低いとはいえません。世界と比較することで見えるものが変わってきます。
一方でこのグラフのなかでも先進国であるカナダ、フランス、ドイツ、イタリア、英国、米国と比べるとまた違ったものが見えてきます。
この7か国の中で日本の幸福度は1番低く、先進国の中で比べると低いということがわかります。このように比較する対象を変えることで全く違ったデータになります。
まとめ
現代はインターネットの普及に伴い、誰でも多くの情報を手に入れることができます。しかし大量にあるからといって全てが必用とは限りません。欲しい情報のためには時間をかけて探す必要があります。
今回紹介したTrendalyzerは情報を形にすることで手間と時間を省きます。また動的なグラフを用いることで過去から現在までの推移を視覚的に伝えることができます。
現状オープンデータに限ったことでしか使えませんが、今後Trendalyzerのような情報を視覚化できるツールの需要が増えていくことは間違いないでしょう。
参考文献
Gapminder
Gapminder Tools
Gapminder, Motion Chartの使い方、作り方 (tmu.ac.jp)
健康統計をクールに(データビジュアライゼーション)。 (mindthegraph.com)
Trendalyzer – Wikipedia
2022年世界幸福度ランキング フィンランド5年連続トップ、コロナ禍でのポジティブな変化とは | やまとごころ.jp (yamatogokoro.jp)
執筆:橋本ゼミ11期 大田龍之介