目次
はじめに
こんにちは。産業能率大学2年大竹真平です。
皆さんはアンケートを自分で作成したことがありますか?
私は10月に行われた瑞木祭のゼミの研究発表で初めてアンケート作成に取り組みました。
今回のアンケート作成を通して学んだことがあります。それは、アンケートにおいて大切なことは、アンケートをどう活かすか、そして、集計したグラフから言えることは何かを考えることです。
アンケートはそれ自体では何の意味も持ちません。
ブログを読んでいただいた方々にこれを理解していただくことがこのブログを書く目標です。
ファクトフルネスについて
私たち橋本ゼミでは「ファクトフルネス」を題材に研究発表を行いました。
「ファクトフルネス」とは、著書のハンス・ロスリング氏が自身の経験から書いた10の思い込み(本能)を乗り越えデータをもとに世界を正しく見る習慣のことです。
私たちはこの「ファクトフルネス」を来ていただいたお客様に理解していただくことを目的に研究発表を行いました。
グラフ1
アンケートから分かったこと
グラフ1を見てください。
これはアンケートの中の「ファクトフルネスについて理解できたものにチェックしてください」という項目を集計したグラフです。
このグラフから、10の本能の中の理解度に大きなばらつきがあると分かります。
ゲームの中では焦り本能、単純化本能、宿命本能の三つを取り扱いました。そのため、この三つの本能は理解度が高かったです。対して、ゲームで扱わなかった他の7つの本能では、過大視本能が0票、分断本能が3票、直線本能が4票など、かなり理解度が低い本能もありました。
しかし、ネガティブ本能は15票、恐怖本能が10票などゲームで扱わなかった本能でも理解度が高かった本能もありました。
ここから言えることは、研究発表の中のゲームは成功だが、研究発表全体は失敗だということです。なぜなら研究発表の目的は来ていただいたお客様に「ファクトフルネス」を理解してもらうことだからです。このグラフから分かるように今回の研究発表では、10の本能の中の理解度のばらつきが大きかったため、ファクトフルネスを理解してもらえたとは到底言えないのです。
これではファクトフルネスの一部を理解していただいたに過ぎないのです。
では、なぜこんなにも10の本能の中で理解度のばらつきが出てしまったのか。
ここを深く掘り下げていきたいと思います。
グラフ2
原因と解決策
では、どのようにしたらファクトフルネスの一部ではなく、ファクトフルネスを理解してもらえたのでしょうか。
まず一つ目は、展示物のクオリティを上げ、読んだだけで理解してもらえるような分かりやすい文章にすることです。今回はゼミ生が二人一組になりそれぞれの本能についてのポスターを作成しました。そのため、ゼミ生のファクトフルネスの理解度がポスターにそのまま影響し、ポスターの完成度にばらつきがありました。それがお客様の理解度の大きなばらつきに繋がったと考えられます。
二つ目は、導入スタッフの説明力を上げることです。導入スタッフとはお客様がゲームに参加する前にファクトフルネスの10の本能について前もって説明するスタッフのことです。彼らは全ての本能について説明する必要はなく、自分が深く理解しているもの、説明しやすいものを中心に説明していました。私も導入スタッフを担当しましたが、やはり深く理解できている本能を中心に説明していました。時には、お客様の方からこの本能について教えてと言われ、困ってしまう場面も多く見られました。このようにこの本能は説明できるけど、この本能は難しいというゼミ生が導入スタッフを担当したことも原因だと言えます。
ここでグラフ2を見てください。
実際に当日、導入スタッフを担当したゼミ生に「10の本能の中で上手に説明できた本能や必ず説明していた本能な何だったか」というアンケートを取りました。このグラフからも分かるように、ゲームで扱わなかった本能でも導入スタッフが上手に説明できた本能についてはお客様も理解していたということが分かります。
対して、ゲームで扱わなかった、かつ、導入スタッフが上手に説明できなかった本能はお客様の理解度はかなり低くなりました。これには過大視本能が当てはまると言えます。
ここから、お客様にファクトフルネスを理解していただくためには、まずそれを説明するゼミ生が深く理解するべきだったと言えます。
データから反省することの重要性
研究発表を肌で感じた反省とアンケートから客観的に見た反省では大きなギャップがあります。実際にゲームの問題作りの中心となっていた小室さんに研究発表を通しての反省を聞いてみました。
上でも示した通り、アンケートから見ると、ファクトフルネスの10の本能の中に大きく理解度のばらつきがあり、ファクトフルネスを知ってもらうという目的には到底届いていませんでした。
そのため、私はアンケート結果から研究発表は失敗だったと結論付けました。
それに対して、小室さんは「本能の説明ポスターのクオリティが高かったため参加者の反応が良かった、満足のいく結果ではないが研究発表として最低限はしっかりできた、ただ、反応は良かったが実際に理解しているかは何とも言えない」とおっしゃっていました。
両者を比較してみると研究発表が成功か成功ではないかという点において、ギャップがあることが分かります。さらに、データを見ることで「実際に理解しているかは何とも言えない」という漠然とした反省が、「理解度に大きなばらつきがあったため理解してもらうことはできなかった」と断言することができるのです。
ここから、アンケートを集計したデータから反省することの重要性が分かります。
最後に
初めてのアンケート作成を通して問題点は数多くありましたが、一番は研究発表に来ていただいたお客様よりアンケートの数が圧倒的に少なかったということです。
始めにも言いましたが、アンケートは集計しそこから何が言えるのかを導くことで意味を成します。
そのためには、ターゲット全ての人にアンケートに回答してもらうことが大切です。今回で言えば研究発表に来ていただいた全てのお客様です。
そうすることで、データの信憑性が増し、正確な改善点が浮き彫りにされます。
私は今回、アンケート作成の難しさ、データから反省することの大切さを学びました。
執筆:橋本ゼミ8期生 大竹真平