あらゆることは、できる限り省力化したい。いわゆる「コスパ」。コストパフォーマンスが良いものを選びたいです。
コスパとは、あることを手に入れるための労力は最小限にしたいということです。多分、今はもう少し進み、「できる限り省力化できるものを選ぶ」と本来の意味よりも飛躍したものにもなっています。
勉強することだって、省力化したい。
でも、学びの部分はコスパが良いものを選ぶことが、結果的にコスパが悪くなると思います。
目次
学びのコスパ
学生さんから、「どんなテスト勉強をすれば良いのですか?」という質問をよく受けます。
回答としては「テストは、この分野の知識が身についているかを問うため、この分野の知識をどう身に付けるか考えるのが良いと思います。具体的には、、、」です。
自分としては、丁寧な回答をしているつもりですが、不親切に聞こえるでしょうね。
単位を取るという意味では、テストで良い点を取れば良いのですから、いかに省力化するかが重要です。
「バカな」と「なるほど」
経営学において古典的な名著に『「バカな」と「なるほど」』という本があります。この本は、経営戦略論に位置づけられ、成功している企業がどのような戦略をとっていたかを論じています。
エッセンスを一部のみ紹介すれば、成功していた企業は、周りから「バカな」と思われる戦略を取っているが、よくよく話を聞けば「なるほど」と思うものであるということです。
このとき、はじめから周りが「なるほど」と思うことであれば、簡単に模倣されてしまい競争優位は作れない訳です。「バカな」という戦略であるからこそ、周りがやらず、それ故差別化ができる訳です。
「新しい戦略を打ち出したとき、他社からバカよばわりされたり、軽蔑されたら、そのときは内心「しめた」と思っていただきたい。その戦略は、成功条件のうちの一つ、それも重要な方の条件を備えているからである(同書 P50)」
学びの競争?
何が「バカな」になるのかはわかりません。周りからすぐに分かってしまったら「バカな」ではないですから。
しかし、「コスパ」が良いものを選んだとしたら、「バカな」ではないことは確かです。コスパが良いものを選べば選ぶほど、競争に巻き込まれていくといくことが予想されます。残念ながら、非常にコスパが悪いと思います。
なお、バカなというのは「周りから」であり、当人はしっかりと考えたうえで「なるほど」と思っているのが面白い点です。
学びに活かすとすれば、自分が良いと思ったものについては周りがなんと言おうとやり続けたほうが良いだろうと思います。それが成功するかどうかはわかりませんが、少なくともコスパを優先するよりかは、コスパは良いだろうと思います。
何より、そのほうが楽しいですよね。