選手が映らないサッカーのイベントを「撮る」ということ ?産能スペシャルデーのリフレクションムービー作成?

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 皆さん、お久しぶりです。橋本研究室3年の貝沼です。

 5月31日は、朝から初夏の日差しが照りつける夏日となりました。
 橋本研究室はこの日、Shonan BMW スタジアム平塚にて行われた、「産業能率大学スペシャルデー2014」のリフレクションムービーを作成しました。

1.「産業能率大学スペシャルデー2014」とは?

 本学は、平塚や伊勢原を含む県内7市3町をホームとするサッカーチーム、湘南ベルマーレと提携を結んでいます。この提携により、本学では湘南ベルマーレへのインターンシップや、ホームゲームでのイベント運営を行うことで、スポーツマネジメントを学んでいます。
 スペシャルデーとはこの提携によるイベントであり、本学の学生や教員が、学校全体で湘南ベルマーレのホームゲームを応援する1日となっています。またイベントの運営、試合前の式典にも、本学の有志で集まったスタッフが参加します。

2.リフレクションムービー作成の目的

 今回のリフレクションムービーは、スペシャルデーのムービーを学内用に作成し、大学の一大イベントに足を運んでもらうことを目的としています。例えば、新入生に「スペシャルデーって面白そう!」「応援したい!」と感じてもらうため、よりスタジアムの盛り上がりが伝わり、臨場感があって面白いムービーを必要としていました。

 このムービーの作成について両学部全体で有志を募集していたため、動画作成の経験がある橋本ゼミ生で参加しようということになりました。

 ということで本プロジェクトは、経営学部の人と一緒に撮影を行うという、両学部が一つになったプロジェクトとなりました。今回撮影班のリーダーを務めたのは、経営学部を含む中で、特に動画の撮影や編集の経験が豊富である、3年の伊藤君です。伊藤君は、両学部生が一体となった撮影班が上手く回るように、慎重に人員を配置しました。

 また伊藤君は、本学生の大学ではみせない「顔」が、大学生活以外(スペシャルデー)においてどんな表情を見せるのかを映したい、ということをテーマに、
・サッカーというものの前に、楽しい大学イベントと位置付ける
・祝祭にとって必要な、「非日常」「ハレ」を演出し、産能大生の様々な「顔」を撮る
ということを意識してムービーを考えました。

3.キックオフまでのイベント

 スペシャルデーは、スタンドの外にはフードコートがあり、特設ステージでは本学のダンスサークルや外部のチアダンスクラブによるパフォーマンスの披露、応援グッズ販売やフェイスプリント等、イベントがとても充実しています。その中で私達は、特に人の出入りが多いゲートの付近、特設ステージ、スタジアム外全体に班を分けて撮影を行いました。また、スタジアム内にも撮影班を置き、試合前の式典やスタンドの様子をピッチ側から撮影しました。

◎ゲート付近

 本学の学生や一般の来場者が多く出入りするゲートでは、パンフレットやチケットを受け渡すシーン、ゲートに並ぶ人、入り口に向かって歩く人の列や歩いている足を中心に映しました。ここではカメラを意識してもらい、手を振ってもらう、一言を頂くなど来場者が楽しんでいる雰囲気を演出しました。

 注意した点は、本学生を撮るときに情報マネジメント学部と経営学部の学生を偏りなく撮影することと、日差しが強かったためカメラの光量を調整したことです。

 来場者を撮影して、当初はカメラを向けると敬遠されるのではないか、という懸念もありましたが、いざカメラを向けるとしっかりリアクションを取ってくれることが分かりました。積極的に来場者と接し、自分の欲しい画を撮影することが、ムービー撮影において大切なことだと実感しました。

◎スタジアム外

 スタジアム外では、ドキュメンタリータッチという、カメラ目線を意識しない自然な描写を撮影しました。具体的には、友達との会話、スタッフの準備風景などの自然なシーンが挙げられます。被写体の真剣な表情や純粋に楽しんでいる画が、本ムービーに必要だったのです。

 また、応援をより楽しむためのフェイスプリントも行われていました。フェイスプリントを撮影するときに特に意識したことは、プリントを顔に書くスタッフと同じ視線で撮る、ということです。書かれている人の顔を大きく映し、より臨場感のあるカットを取り入れました。
 
 プリントを描いてもらう前と描いてもらった後では、顔の表情に変化があり、それを動画に収めることは難しいことだと感じました。

◎ステージ

 私達が到着したころ、すでに特設ステージではダンスのリハーサルが行われていました。そこでリーダーの伊藤君が出した指示は、

「リハーサルのダンスをよく見ておくこと」でした。

 本番でどの部分、どのタイミングで見せ場があるかを掴んでおくためです。私達はリハーサルを見ながら、どの位置にカメラを持ってくるかを話し合いながら準備をしていきました。また、ステージの撮影班は動画撮影の経験が浅かったため、プロのカメラマンの横について技術を真似することを意識しました。

 そしてステージ開演。客席を駆け巡り、パフォーマーの動きや表情を撮り逃さぬよう、必死にカメラを回しました。動く人を撮ることはとても難しいと感じましたが、リハーサルで動きを把握したことを生かし、後半は自分の撮りたい画を撮ることにも挑戦できました。

◎スタジアム内

 キックオフまでの式典は、特設ステージと違ってリハーサルがないため、撮影は一発勝負でした。特に、タイムテーブルが細かく決まっているため、あらかじめ動きを事前に把握しておき、先回りをすることを意識しました。それだけでなく、一人ひとりにフォーカスを当てることを心掛け、スタンドからは撮影できない視点の画を撮りました。

 イベントのスピードが想定よりも早く、撮影はとてもハードでした。イベントの撮影においては、あらかじめ何が起こるか、被写体がどの位置に来て動くのかを把握しておくことが必要であると感じました。しかし、普段は立ち入ることのできないグラウンド内に入って撮影をすることは、大変貴重な経験となりました。

4.キックオフ!

 16:00、湘南ベルマーレと東京ヴェルディの試合が開始。
外で撮影していた人達はスタンドに合流し、撮影班全員が一丸となって撮影を行いました。スタジアム内で撮影していた人達も、スタンドにいる人と協力しつつハーフタイムのボール投げのイベントを撮るという、ハードな撮影を成し遂げることができました。

◎スタンド

 当日の来場者数は何と1万人以上!スタンドでは席が足りず、立ち見をする人もいるほどでした。ここでも事前の絵コンテを頭に入れ、各ゼミで作成した応援Tシャツや観客の表情、ハーフタイムのボール投げを撮りました。ここでも、観客にカメラを向けても抵抗されることなく、ピースなどのリアクションを取ってくれたので、撮影側も高いテンションで撮影に取り組めました。

 1番の盛り上がりは、何と言ってもゴールシーン!

 ゴールが決まった時のスタンドの一体感を撮影することは、一発勝負かつ予測しづらいというプレッシャーがありました。しかし物凄い迫力があり、撮影できたときはかなりの達成感を味わうことができました。

5.撮り終えて

 試合は1?0で湘南ベルマーレが勝利!

 前半から攻めの姿勢を見せた湘南ベルマーレは、後半での先制ゴールを決めると、そのままの勢いで果敢に相手のゴールを狙い続けました。まさに、チームとサポーターが一体となったスタジアム。本学生もサポーターの応援ムードに乗っかり、とても楽しんで応援していた様子でした。

 最後に、観客がゲートへ向かう様子とスタッフの清掃活動を動画に収め、私たちの撮影も無事に終了。撮影隊全員がやりきったという表情を浮かべていました。

 全体の感想として、まずは動画への意識が各個人で高まったと感じました。今回が実践で初めての動画撮影だという人が多かったのですが、それぞれが撮影に対する興味や関心を抱き、自分の撮影の反省をしていたので、全員が意識高く取り組むことができたのだと思います。今回の経験を機に、橋本研究室では今後も様々な動画撮影にチャレンジしていきたいと思います!

 それから、今回は経営学部から撮影メンバーが参加していますが、最初はこちらの雰囲気に慣れない様子でした。しかし、撮影を重ねることでお互いが打ち解け、最終的には連携して撮影を行うことができたので、とても良い刺激となりました。情報マネジメント学部生と経営学部生が共同作業をする機会がなかなかないので、ぜひまた一緒に作業をしたいです。スペシャルデーの撮影に参加して下さった経営学部の皆さん、誠にありがとうございました!

 そして、撮影リーダーの伊藤君がしっかりと指揮を執ってくれたことが、今回の大きな功績だと思います。動画のイメージを決め、メンバーに伝わるように絵コンテを作成し、メンバーの配置を行ってくれたおかげで、とても動きやすかったと感じます。初心者へのアドバイスもとても的確で、自信を持って撮影をすることができました。

 「一人ひとりがリーダー」。

 3年ゼミのスローガンでもあります。手を挙げた人がつらい思いをするものですが、それだけ得るものは大きいです。今回リーダーを務めた伊藤君も、自身のリーダーとしての行動やチームの引っ張り方など、リーダーならではの反省や知識を得ることができました。
 橋本研究室ではこれからも、一人ひとりが積極的に手を上げてアクションを起こせるようなゼミを目指していきます。

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