ゼミ10期生の研究内容と卒論集のまえがき

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先日、橋本ゼミ10期生が卒業していきました。卒業生の今後の活躍を心から祈っています。

卒業研究の内容をタイトルのみですが、こちらにまとめます。今年も多様なテーマとなりました。

卒論(卒業研究)一覧

<卒業論文>
映画「パッドマン」から知るジェンダー問題 今野 日南子

キャプテンが周囲から求められる役割の考察
―キャプテンが苦しむ組織はキャプテンだけが悪いのか― 鈴木 滉人

今後の中井町に求められる行政施策 ~若年層が魅力に思うまちづくりとは~ 次田 結音

自粛期間が明けて問われた合宿の調査
―意思決定者である教員のインタビューから現状を知る― 長田 源生

ローカルメディア「My Playful Town」の運営における主体的行動について
―約二年半の自身の活動を振り返って― 山内 愛弓

KPOP推し活における消費行動の合理性の研究
―KPOPオタクはなぜCDの大量購入を続けているのか― 山口 翼

ハンドボール継続の要因 ~経験者へのインタビュー及びアンケート調査をもとに~ 福島 健五

<卒業研究>
新たな AR 表示方法にむけた画像認識技術の調査 宍戸 俊介
UFC の強みと課題を明らかに 過去と現状を振り返る 永山博基
大学スポーツのオートエスノグラフィー ―サッカー部での活動を事例として― 外薗隆一

卒論集のまえがき(抜粋)

 2020年4月入学の皆さんは、まさに新型コロナと共にスタートしたことになります。授業はオンラインになり、様々なイベントが中止になるなど大きな影響を受けた世代でしょう。4年生の最後の1年でゼミ合宿や瑞木祭が実施できて本当に良かったなと心から思っています。大学に期待されることがいくらかでも味わってもらえたのではないかと思います。

 大学の役割は様々なものがありますが、例えるならば複数の路線が乗り入れるターミナル駅のようなものだと考えています。その意図は、大きく3つあります。

 一つは、複数の路線が乗り入れることから、乗り換えが可能であるということです。つまり、自分の進路を選択できるようになることです。大学に進学したからこそ、また産業能率大学や橋本ゼミだったからこそといった進路を選べたとしたら、こんなにうれしいことはありません。

 もう一つは、自分が乗ってきた路線に気づくことです。大学生として入学した際、みな同じようにスタートしているように感じますが、それまでに歩んできた軌跡は異なるのです。そして、その軌跡こそが、本来的な意味のキャリアであり、故にその後の未来を規定する(してしまう)力を有しているのです。自分が乗っている路線(レール)は、意図しなければそのまま走り続けることになります。自らの意思で乗り換えられる機会と能力を提供するというのが、2つ目の役割です。もちろん、様々なことを考えた結果、そのまま同じ路線(レール)を走り続けるという選択も素晴らしいものです。大事なことは、自分の乗っている路線に自覚的になることなのです。

 最後、多くの多様な人達が集まるのがターミナル駅です。すなわち、多様な人達との出会いは大事な大学の役割でしょう。大学やゼミのメンバーとの出会いが皆さんたちにとってかけがえのないものであることを願っています。

 コロナは大学が果たすべきこうした3つの役割に対して、大きなダメージを与えたように思います。表面的には傷は見えにくいです。しかし、これらの3つの役割はあまりに「コスパ」が悪く見えます。実際にはこれ以上パフォーマンスが高いものはありませんが、「就活」などのようにわかりやすくないため理解されにくいのかもしれません。

 今回、卒業論文の執筆に伴奏しながら、この3つの役割に皆さんたちが気づき、そして多くを得ようとしていること、そして自ら変化しようとしていることに感銘を受けていました。多くの論文が自らの過去をアカデミックな専門知識を身につけ自分なりに使いこなそうとしながら振り返るものになっていました。また、メンバー同士での励まし合いも心強いものでした。それこそがまさに大学の役割であると言えるでしょう。

 さて、ターミナル駅で得るべきことは得たと思います。ここからは新たな路線に乗って、それぞれの未来に進んでいってほしいと思います。きっと素晴らしい未来が待っていると信じています。そして、いつでも少し休みに帰ってきてください。この後も駅は同じ場所にあります。皆さんたちの旅の思い出話を楽しみにしています。

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