先日、渋谷ヒカリエ8階で行われた法政大学長岡研究室開催の「カフェゼミ#57」に参加しました。今回は「環境問題の素人が集い、ゴミを出さない居心地のいい暮らしについて語ろう」というテーマです。今回で初めて参加した「カフェゼミ」。そこで感じた雰囲気や今回のテーマについて、私は大きな刺激を受けました。今回はその記録と感じたことについてまとめていきたいと思います。
目次
「カフェ」ゼミという名前の理由
「カフェゼミ」というイベント名は、よく考えると不思議です。私は、参加する前から、「なんで「カフェゼミ」って言うのだろう?」と思っていました。ですが、いざ会場に到着してみると、その名前の理由がわかりました。会場内では、飲み物は飲み放題で、テーブルには、栗のクッキーが用意されていました。また、イベント開始前は長岡ゼミの方によるラジオがオンエアされており、ゼミ生の方とチェキを撮ることができるなど、「ゼミ」をする空間であることを忘れるかのような空間でした。改めて「カフェゼミ」というイベント名については、深く考えなくても、そのままの意味なのだと感じられました。
こういう空間である理由は、「ゼミ内で飲み食いしたら、なぜダメなのか?」という問いかけから、固い雰囲気から脱する実験的要素があるからと説明されており、とても面白い試みだと感じました。
渋谷で「ゴミ拾い」をしている男性の話
今回、ゲストとして「カフェゼミ」へ来てくださったのは、「530week」という渋谷を中心にゴミ拾い等の活動をするコミュニティを設立された、中村元気さんです。
中村さんが、ゴミ拾いを始めた理由は、その街にいても良い理由を作りたかったからだそうです。
そんな中村さんがコミュニティ活動をするにあたってのキャッチコピーに私は興味を抱きました。
それは、「We are not 意識高い系」です。
ゴミ拾いをする根底にある考えは、「自分の答えを追究している。」ことにあります。例えば、「ゴミ」についていえば、ある人にとっては「ゴミ」だが、別の人にとっては、「価値のあるもの」かもしれない。または、用途が無くなったら、それはゴミになるのか?と言ったような「消費行動」に対しての価値が、「自分だったらどういう価値があるのか?」という考えで活動をされているようで、とても関心を持てました。
「We are not 意識高い系」で、多様なものを受け入れる。
それらを踏まえて「We are not 意識高い系」というのは、“過度な合理性へのアンチテーゼ”というニュアンスが込められていると解説されていました。ここでいう合理性とは、妥協なき追求です。
何かをする際に、合理的性を追求めることってよくあることだと思います。
合理性を求めるのは、悪い事ではありませんが、それが過度になってしまうと、価値観が凝り固まったり、選択肢を極端に減らすということになってしまいます。
だからこそ、中村さんを始めとした「530week」の活動では、「ゴミ」をそのまま受け入れるのではなく、自分の用途に変えてみる試みも行っているのです。例えば、パンの耳でビールを作ってみたりしています。
環境問題の素人で話し合う「古着屋に行く理由」。
今回の「カフェゼミ」で集まった人たちは、自分も含め環境問題を専門的に扱っている人ではありませんでした。ですが、これこそが「カフェゼミ」の狙いでした。「カフェゼミ」のこのような試みは「アマチュアリズム」という専門性を気にせずに対話を楽しむ形式になっています。これも“過度な合理性へのアンチテーゼ”であり、むしろその空間では新しい考えや価値観が生まれてくるものでした。
その中で議題とされていたのは「古着屋に行く理由」でした。「廃棄物を削減するために古着屋に行く」のか、「古着屋巡りが楽しいから古着屋に行く」のか、「ゴミ」に対する価値観の在り方も相まって、色々な意見が出てきて、とても刺激になりました。
まとめ~今後、私が意識したいこと~
「カフェゼミ」ってどういうものなのだろう?という気持ちから体験させていただいた今回の催しは、私にとって新鮮で、これまでの私の価値観を揺さぶられました。
「物に対する価値観の多様さ」「合理性以上に大切な柔軟に物事を受け入れる姿勢」というのが体感的に感じられる空間にいること。これは私にとっては特に重要な経験でした。
私自身、今まで、価値観を受け入れる姿勢、柔軟に物事を受け入れるマインドが足りていないと感じる部分が多くありました。ですが、今回の「カフェゼミ」という空間でアタリマエを揺さぶる経験を通したことで、そこから感じた「違和感」を起点として、自分にとって少しアタリマエから外れてみる経験をしていくことが、自分自身の柔軟性に繋がるのではないかと感じました。それは、橋本ゼミにおける活動・プロジェクトにおいてはもちろん、大学生活のあらゆる場面でやってみて、そこから得たものを自分の柔軟性へと繋げられると思います。このようなプロセスを通じて、自分の「強み」に結び付けられていければと思います。 次回もまた参加してみたいと思います。
執筆:橋本ゼミ11期生 三宅央二郎