Cluster上で乗り物機能を体験しよう!

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こんにちは。はじめまして、橋本ゼミ10期生の栁田竜也です。

橋本ゼミでは、今年(2021年)に行われた瑞木祭で、「Cluster」と呼ばれる、バーチャル空間に集まって遊べるメタバースプラットフォームを使って利用して、伊勢原市のお祭りである「道灌祭り」を再現するべく、「バーチャル道灌祭り」というものを開催しました。

その後、そのワールドを一般公開するためにいくつかの改良を加えました。その時に、「Cluster Creator Kit」に新たに追加された乗り物機能を搭載して、ワールド上に実際にプレイヤー自らが乗って動かせる車を導入しました。

この経験をもとに、乗り物機能について説明したいと思います。

大まかな手順

 大まかな手順は以下のようになっています。

「Unity」上で乗り物のもととなるオブジェクトを作成する

そのオブジェクトに乗り物特性を付与する

操作できるようにする

「Unity」から「Cluster」にアップロードする

Unity・Clusterについて

 「Unity」とは、ユニティ・テクノロジーズ社が提供する、ゲーム開発プラットフォームで、簡単に言うと、ゲームエンジンです。代表的なものだとポケモンGOはUnityで開発されました。

 「Cluster」とは、プレイヤーがアバターを選択してバーチャル空間に入り、公開されているワールドに入って散策したり、開催されているライブやイベントに参加したり出来るサービスの事です。

乗り物にするには

 大まかな手順でも説明したように、乗り物にするにはまず「Unity」上でもととなるオブジェクトを作成して、それに乗り物特性を付与する必要があります。

 乗り物特性を付与するには、作成したオブジェクトを選択して、「Add Component」の中から「Ridable Item」を設定します。(この時の注意点として、乗る位置がオブジェクトの中心になってしまっているので、シートの位置を変えるために、新たにオブジェクトを作成して、座る部分に設定しなければなりません。)そうするとそのオブジェクトの上に乗れるようになります。しかし、これだけではまだ動かすことが出来ません。

なので、次にそのオブジェクトを操作できるようにする必要があります。操作できるようにするには「Add Component」の中から「Steer Item Trigger」というトリガーを付け、「Move Input Triggers」の「Value」を「Input:Vector2」に変更し、名前の所には「move」と付けます。この時点でもまだオブジェクトを動かすことはできません。

次に、オブジェクトを動かせるようにします。アイテムの動かし方には色々あるのですが、今回は「Movable Item」について説明していきます。先ほどの「Steer Item Trigger」のしたに「Add Continuous Force Item Gimmick」をセットします。そして、「Key」を「move.y」、「Parameter Type」を「Float」、「Force」の「Z」を10にします。ちなみに、「move.y」の「y」は縦方向の入力という意味です。これを全て設定するととりあえずは動かせるようになります。しかし、このままでは操作をとめても慣性が働いて勝手に動き続けて、地面にぶつかって転がってしまいます。

 このようなことが起きないためにいくつかの設定をする必要があります。まず、慣性を強くするために「Rigidbody」の「Drag」を1にします。次に、地面にぶつかって転がるのを防ぐために、「Constraints」の「Freeze Rotation」のXとZにチェックを入れます。

 次に、横の入力をさせるために、「Add Continuous Torque Item Gimmick」を設定します。横軸の入力なので、「Key」を「move.x」にし、「Parameter Type」を「Float」、「Torque」の「Y」を1にします。しかし、これだと回転が速すぎるので、「Rigidbody」の「Angular Drag」を1にします。これで、事故が起きずに正常にオブジェクトを動かせるようになりました。

 以上の設定で乗り物としては動かせるようになりました。これを「Cluster」上にアップロードすれば実際にワールド内で乗り物として使用できるようになります。

最後に

 今回は、「Cluster Creator Kit」に新たに追加された乗り物機能について簡単ではありますが説明してきました。この機能を使うことで、自分が作った車やバイク、自転車などを実際に動かせるようになるので、かなり遊びの幅が広がったのではないかと思います。

皆さんもぜひこの記事を参考にして乗り物機能で遊んでみてください。

また、参考になればと思いキューブ型のとても簡単なものではありますが、自作したものを掲載させていただきます。

執筆:橋本ゼミ10期生 栁田竜也

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