大学で働いていると、多くは18歳~22歳までの学生と過ごすことになります。
来年4月に入ってくる学生の多くは、1999年4月から2000年3月生まれとなります。全員が20世紀生まれとなる最後の年です。
世代が違うというのは、面白いものです。2017年現在、「スマホ版のどうぶつの森」が流行っていますが、「小さい頃によくやっていたので懐かしい(だからやる)」ということでした。
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何を懐かしく感じるか
初代どうぶつの森が発売されたのは、2001年で、爆発的に売れたDS版は、2005年です。大学生が幼稚園から小学生の時に、大流行した事になります。確かに、懐かしいとなりそうです。
現在35歳の私はといえば、リアルタイムではなく、彼らの言う「懐かしい」という感覚は残念ながら共有できませんでした。追記)懐かしいの中に、「小学生のときに、友達とやった」というコンテクストが大いに含まれていたからです。
感覚がわからないこと
逆に、現在の大学生には、日本が大きな変化を遂げた1995年の事は共有されません。
阪神大震災も地下鉄サリン事件も生まれる前の過去の話です。さらに、2001年のアメリカのことも記憶にはないことが多いのです。
たとえば、授業において何を事例にして話をするかは、彼らの世代を意識しながら話をする必要がある訳です。
AIネイティブ
さらに下の世代ももちろん生まれています。
現在の幼稚園児や小学生は、テレビをiPadを使うようにスワイプすると言います。
息子(1歳3ヶ月)が、Siriと楽しく会話していた。
デジタルネイティブどころか、AIネイティブ— 橋本 諭 (@satoshi_hashimo) 2017年11月25日
私の息子は、iPhoneで何度もsiriを起動して話しかけていました。返事が来るのが楽しいようです。パパより先に、siriでした。
このAIネイティブとも呼ぶ世代は、既に幼稚園や保育園にいる訳です。
彼らがAIとどのように付き合っていくのかは、たぶん前世代とは違うものになるのでしょう。彼らが大学に来る時、どうなるのか? どう受け入れるか? 非常に楽しみです。
大学生と何かをすること
最近、企業と大学との産学連携が進んでいます。
世代の違いを超えるためには、素のままでは共有できないお互いの意味世界をどう理解していくかが、企業にとっても大学にとっても、学生にとっても大事なことではないかと考えています。
それは、素朴に「一緒にいる」だけではダメで、何らかの仕掛けが必要だろうなと思います。