目次
はじめに
この記事ではSDGs “目標12 持続可能な消費と生産のパターンを確保する” について考察していきます。
私達は普段生活する中で様々な食料を消費しています。その食料を作る過程では、水などの自然資源も多く使われます。
そして、その生活の中で出る廃棄物や汚染物は、地球環境に負荷を与えています。私達は食料や資源を消費するにあたって多くの量の産業廃棄物や食糧廃棄物を出し、経済成長に伴い様々な資源を無駄にしているのです。その問題が提起されているのが目標12です。
この問題を解決するためには、私たちが商品や資源を生産、消費する方法を変えることが必要とされています。
また、地球上の天然資源の効率的管理と、有害廃棄物や汚染物の処理方法を改善することが必要です。
本記事ではその中で食糧廃棄について考察し、その解決法について考えてみたいと思います。
食糧廃棄とその影響
私達の生活の中で多くの食料が生産されていますが、生産したすべての食料を無駄にすることなく食べることはできませんよね。誰だって食べ物を残したり捨てたりした経験があると思います。
国連食糧農業機関(FAO)によると、世界では年間13億トンもの食品が食べられることなく捨てられているといいます。これは全世界で生産されている食品の約3分の1に相当する量です。
食糧の廃棄は大きく分けて2つの過程で行われます。
①生産や販売後の段階
私たちが、見た目のよさや安さを求めるため、工場で加工を施す際に容器にへこみがある商品などは、事業者が処分します。また、食品の野菜の収穫の際に運搬に支障が出る不揃いなサイズの農作物などは出荷できないため、生産者が処分します。ほかにも、次々新商品を発売するためにそれを並べる棚からは、古い商品が撤去され処分されていきます。
②消費者に購入された後の段階
これは消費者が食品を購入した後の食べ残しや、冷蔵庫に入れたまま放置して腐敗させてしまい、食品が廃棄される状況です。
2つの段階を紹介しましたが、調べてみると前者の方が高い割合で食品廃棄が進められていることが分かりました。
収穫や工場での段階から食品の廃棄の仕方を考え直すべきではないかと考えられます。このように食品廃棄は、あらゆる場面で懸念されている問題なのです。
また、食料が廃棄されると、その食べ物が無駄になるのはもちろん、その食料が生産される過程で使われる水や肥料、農薬、作物の種子、燃料なども無駄になってしまいます。
例えば茶碗一杯分のご飯を作るのに使われる水の量は一升瓶250本分です。茶碗一杯分のご飯が無駄になれば、それだけの量の水が捨てられてしまうのです。
それにならえば、年間13億トンもの食糧廃棄が、いかに食料と自然資源を無駄にしているかは一目瞭然でしょう。
で、私たちは?
さて、ここまで食糧廃棄に関してまとめてきましたが、私たちはどう考え、行動するべきなのでしょうか。
私は、“資源の利用に責任を持つ”ことが最重要であると考えます。
目標12は、「つくる責任、つかう責任」とも呼ばれます。
前述した、農家や工場の時点から(つくる)責任を考えることももちろん必要ですが、消費者である私達にもその商品を使ったり食べたりする(つかう)責任があるわけです。
そこで、具体的に解決に繋がる方法を調査したので、いくつか紹介したいと思います。
①食品を買いすぎず、使い切る
これは当然のことですが、食品を無駄に多く買いすぎるがために最終的に廃棄への道を辿ってしまうのではないでしょうか。
必要最低限を心がけ、その目的に合った使い方をする。
料理を作る際も、あらかじめどんなものをどんな食品をどれだけ…と、計画を立てることが必要かもしれませんね。
②臨機応変に対応する
意識していても、どうしても食品を使いきれない…というケースはあるかもしれません。
その時はなにか別の料理に使ったりするなどの工夫が必要かと思われます。食品に対する責任が問われる場面ですね。
③賞味期限と消費期限の違いを知る
皆さんは賞味期限と消費期限の違いをご存知でしょうか。
賞味期限は品質の劣化が比較的遅い食品に表示されている「おいしく食べられる期限」なのに対し、消費期限は、品質の劣化が早い食品に表示されている「食べても安全な期限」です。
食品が捨てられる理由の1つに、「賞味期限が切れたから」というものがあります。
しかし、賞味期限が切れたからと言って食べられないわけではありません。
使い方によっては美味しく利用できることもあるので、使い方を今一度考え直すべきではないかと考えました。
私達は今学生であり、周囲に一人暮らしをしている人もいれば、何年後かに始めるという人も多いです。私も社会に出たら自立して生活したいと考えています。
そんな段階の私たちがこの目標12のことやその解決策を考えることで、小さな一歩ですが良い方向に向かうことは間違いありません。
工場などの生産過程に私たちが口を出すことが難しいですが、難しいからこそ、今できることを考え、資源に対する責任を持つべきであると考えます。
まとめ
本記事ではSDGsの「目標12 持続可能な消費と生産のパターンを確保する」について考察してきました。
その中でも一番身近な食品の廃棄を取り上げたことで、自分自身も食品や商品に対する責任をもっと考えなければならないと思えるようになりました。
それと同時にこの記事を読んでくださった方が、目標12について少しでも関心を持ってくださり、私たちと共に問題の解決に向かっていただけることを願っております。
参考文献
①SDGs 目標12
②目標12 ターゲットについて