こんにちは。橋本ゼミ広報班の角田寛樹です。
私は野球を11年間続けており、現在も社会人野球の選手として活動中です。
野球といえばチームスポーツです。常勝チームを目指すには仲間とともに協力して1つのチームを作っていくことが必要です。それを産能の特徴であるマネジメントを交えた言い方にすると「チームビルディング」と呼びます。
今年の橋本ゼミは「チームビルディング」をテ―マにした研究発表を行います。この記事は、私の野球人生の中でも特に印象強い高校野球のエピソードに基づいて書き進めていきます。
私の高校は公立校ながら人数も多く、上下関係も厳しい方だったと思います。
声が小さかったら罰、Yシャツのボタンが外れていたら罰。炭酸飲料を飲んだら罰…
とにかく多くの厳しい思い出が蘇ります(笑)
正直、先輩方の引退を少し待ちわびていた自分もいました。多分それは私だけではないと思います。ほとんどが先輩方の思うように進められている気がしてならなくて、それに加え私たちは下級生という立場上何も言えなかったためです。
しかし、先輩方が引退して私たちの代になると、実力面での不安や、部を支えていかなければならないという責任感が重くのしかかってきました。
そこで初めて、チームの主力としての実力があり、且つ、私たち下級生を厳しく指導するという責任を持って野球部を支えてきた先輩方の大変さが分かったのです。
そこで私たちは、一人ひとりが実力をつけるべく、意識を変えて練習に取り組み始めました。また、私たちが下級生だったころの悩みとして挙げられていた、「上下関係の理不尽さ」を無くすため、私たちの後輩には、無駄に多く罰を与えず、厳しさと優しさのバランスを考えて接することで、どの学年にも不満を持たせない指導の仕方にシフトしました。それの結果、甘すぎないとともに不満もない上下関係を確立しようとしたのです。
しかし、今「チームビルディング」を学んで考えなおしてみると、一人ひとりの意見をもっとしっかり引き出せたらなお良い組織づくりに繋がったのではないかと考えています。「チームビルディング」に基づいた考え方をすると、各々の意見を引き出すには主に話をまとめる人間の「思いやり」が必要である、となります。
決められた人間の中で、どれだけ話のテーマについて考えてくれるか、といったことを意識しながら一番有効な手段を考える。会議のテーマとその場にいる人間のことを思いやる気持ちが、一人ひとりの意見を引き出せるのです。
高校生活を部活動に懸けているような運動部員は、マネジメントを真面目に学ぶ機会は全くと言っていいほど無いかもしれません。私も現役時代はそんなことを考えたこともありませんでした。ですが今こうして考えると、スポーツ×マネジメントはしっかり成立するのではないかと考えられます。
また、仮に「チームビルディング」を意識した考えで野球に取り組んでいたとしたら、私たちの代だけでなく、ついてくる後輩にも良い影響を与えられたのではないかと思います。そして私たちの代が引退した後でも、理想の上下関係が確立され続けるのではないでしょうか。
こう振り返ってみると、野球部員にはもちろん厳しい練習も必要ですが、こういった組織を良くするための「チームビルディング」を理解するのも必要なのではないかと考えられます。そのようなことを踏まえて部活動生活を過ごした人間は、将来その経験が生き、世界で活躍するリーダーになれる人材といっても過言ではないのです。
私も今、若いうちに「チームビルディング」について触れられてよかったと思います。そしてゼミ活動を通して、さらに深く理解できたらと考えています。
参考文献
安部敏樹(2015) いつかリーダーになる君たちへ 日経BP社.