こんにちは、橋本ゼミ広報班の柴田隆裕です。趣味は野球、バスケットボールの試合観戦をすることです。今回の瑞木祭ではチームビルディングを題材にした体験型ゲームを実施します。
突然ですが、皆さんは組織で活動する際、人に合わせて黙っていることで自分らしさを上手く出せずにいることや、人間関係を割り切ってあきらめの気持ちで仕事をしてしまうことに直面したことがありますか? 私は組織で何か活動をする際に、この問題に直面します。それが、当たり前にならないように、チームを作っていく、つまりチームビルディングをする必要があります。
この記事では、「『勝つ』組織〜集団スポーツの理論から学ぶビジネスチームビルディング」という本の内容を参考に、私が高校で所属していた野球部と大学でのゼミの活動を振返りながら、チームビルディングについて考えていきたいと思います。
目次
良いチームを作るための2つの約束ごと
同書によればチームの土台を強くするために必要な約束ごとは2つあります。
1.1 チームはリスペクトの関係で結ばれている
1つ目は「チームメイトはリスペクトの関係で結ばれている」ことです。
チームスポーツにおいて、レギュラー選手と控え選手の格差というのは、多くの人が経験したことがあるのではないでしょうか? 私が所属していた野球部を例に挙げると、レギュラー選手と控え選手は別行動をしていたと思います。気を遣っているのか、自然と派閥のようなものが生まれ、お互いにアドバイスを言い合えるような、リスペクトの関係を作れませんでした。
1.2 チームの成長につながる言動をする
2つ目の約束ごとは「チームの成長につながる言動をする」ことです。同様に野球部を例に挙げると、特に高校1年生のときに、この約束ごとが守られていないと感じました。
この時期は、ワンポイントで試合に出場する機会が多いので、チームの勝利よりも個人の結果を重視して考えてしまう傾向がありました。
試合で結果を出した人の中には、天狗になってチームメイトへの配慮のない言葉や行動が目立つ人がいました。自然とその人の周囲からは、チームメイトも離れていきましたが、それではチームは良い方向に進みません。チームの雰囲気が悪く、常にストレスを感じながら試合や練習をする時期がありました。
2.「違い」を認識し「真の平和」なチームをつくる
このテーマはゼミを例にして考えていきたいと思います。高校野球のように「甲子園への出場を目指す」など、一つの目標に向かって活動するのと違い、ゼミは一般的に目標は一つではなく、所属している個人としての目標が強いと思います。そのため、ゼミでは、さまざまな個性を持った人たちが集まります。
それが故に、「もめ事がない」チームをつくることは非現実的です。「違い」を認識し合い、その「違い」を学びの材料にできるチームが「真の平和」なチームになっていきます。「真の平和」の象徴は、「メンバー間が名指しでアドバイスし合える関係」であることです。
一方で、「偽りの平和」も存在します。私が所属しているゼミでは、「偽りの平和」の存在が大きかったと感じています。
表面的には平和で、問題が無いように思えますが、意見があっても黙っていることや、「違い」を恐れて自分らしさを出せない状態だったといえます。例えば、「はい」、「いいえ」で答えられる質問に対して、陰では「いいえ」を主張していた人が、ゼミの時間に皆で議論をする際には、周りを気にして、「はい」と答えて自分の考えを表に出せない、または偽って「八方美人」のような行動をとる人がいました。
今では瑞木祭の準備を通じて目標が定まり、メンバー間で少しずつ本音を言い合えるようになりました。最初は、発言することで批判、自分の地位やプライドを損なう恐れやリスクを感じることがありましたが、瑞木祭を通じてチームが一つにまとまってきたと思います。
考察
今回の記事では、高校の野球部と大学でのゼミのチーム状態を振り返りながらチームビルディングについて考えていきました。紹介した2つの約束ごとには、「心の安全」を担保する役割もあります。ゼミではこの安心感がなかったので発言するリスクが大きく感じることや、本音を言えない状態をつくりあげてしまったと考えられます。
ここで言われていることは、職場などでも同様に考えることができると思います。業績偏重になって、互いにリスペクトする関係やチームの成長につながる言動がとれていない組織になっていませんか? また、面と向かって本音の言えない組織になっていませんか? 職場が「お金を稼ぐだけの場所」ではなく、人として成長できる場所、人間関係の充実を実感できるような、大きな付加価値のある場所にしていくことがチームビルディングに必要なことだといえます。
まとめ
チームビルディングに必要な要素は、チームの一人一人が自分に自信を持つことだと私は考えました。自分の強みを活かし、個人の欲望ではなく、チームにどのように貢献できるかを考えて行動していくことが大切だと思いました。また、チームへの貢献がその人を成長させて自信をつけるきっかけになると思います。自信をつけることによって、自分の中で譲れない意志を持つことができ、自然とチーム内で面と向かって本音を言い合える人間関係を構築できると考えました。
橋本ゼミ4期 柴田隆裕
参考文献
福富信也(2015) 『勝つ』組織 集団スポーツの理論から学ぶビジネスチームビルディング 株式会社カンゼン