本学では、2年後期から専門ゼミを選択しますが、その選択期間がやってきました。大学時代の大きな意味をもつ選択になると思いますので、皆さんしっかりと考えて選択して欲しいと思っています。私のゼミの活動内容については、学内資料に書いていますので、ここでは私が「ゼミ」というものについて考えている事を述べたいと思います。
唐突ではありますが、私にとってのゼミとは、人生を変えた場でした。
現在、大学教員をしていますが、学部、修士課程で所属していたゼミ(研究室)に出会わなければ、また指導教授である玉木先生、その他の共同研究者の皆さんに出会わなければ、今はありません。また、それは前職である経営コンサルティングという仕事もできなかったのではないかと思っています。
私が参加していたゼミは、極めて実践的な内容を行っていました。2年生のゼミ紹介の時に、先輩が企業との(当時は車メーカー)共同研究の話をイキイキと語っていた様子は、今でも思い出されます。当時、同じことをやりたいと思っていましたが、何の縁か、学習(まずはeラーニングから入りました)の世界に足を踏み入れる事になりました。
詳細は割愛しますが、eラーニングにおいても極めて実践的な内容をやらせてもらいました。20そこそこの若造が、企業の会議室で「えんえんとモノ申す」というのは、今から考えると穴があったら入りたいという思いです。それでも、企業の方々や一緒に研究していた共同研究者の方々が温かく見守ってくれたおかげで少しずつ「自信」を付けられたように思います。
その結果が前職への就職であったし、現職に繋がってきています。ですから、その当時の方々には本当に感謝の念しかありません。しかし、恩返しなんて大それたものはできません。それ故に、自分がゼミを持たせてもらうという貴重な機会を得たのですから、当時してもらっていたことを同じように自分もしていきたいと思っています。
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大学2年生当時の自分を思い出してみると、なんとなく「もやもや」していたと思います。大学に入ってみて、2年間過ぎてみたが、サークルも中途半端、授業もただ受けているだけといった形で、何かこれに打ち込んだという事はしていませんでした。学校行って、バイト行って、寝る。そんな生活でした。
その生活の中、何となくですが、将来というものを意識していました。その将来については、何となくなのですが、それでも目を伏せたくなるくらいにはリアリティを持って、「見えていた」気がします。「大して変化がないだろう」と。
今から思うと思い上がりも甚だしいのですが、このまま大学を卒業して、こういった仕事に就いて、こういった生活をするのかな? ということは、周りの友達や先輩、両親などをみて思っていたのです。大学名によって色々な事が変わることも何となくわかっていましたし、大学の中においてもそういった序列のようなものはあり、自分が上位にいるとは思ってもいませんでした。本当に何となく、このままじゃ嫌だなと思っていたのです。
しかし、当然授業やバイトをいかに工夫したとしてもたかが知れています。今のようにネットも発達していませんでしたので、SNSを使って仲間を募って何かをするなんてこともできません(技術的にできたとしてもやっていなかったでしょう)。ですから、何となくモヤモヤしていたのです。
そんな時、前述したゼミに出会ったのです。ゼミの力、指導教員の力を借りて、それ以降「レバレッジ(てこ)をかけた」活動ができました。自分に少しずつ自信がついてきました。自信がついてみると、今度は「恥をかきたくない」とか「もっとできるところを見せたい」というような意欲がわいてきて、活動に熱が入っていったのが思い出されます。
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私が考えるゼミというのは、実践的な場で、胃が痛くなるような経験を積みながら学ぶことです。力不足は書物や先輩に頼りながらも何とか責任感を持ってやり遂げるという「活動」により、濃密な「振り返り」を行うことだと考えます。ゼミは「ホーム」です。戦地、敵地に行って死んでしまわないように「鍛え上げる場」であり、「傷を癒やす場」です。そんなことが一人でできる人は多くありません。だから、仲間が必要なのです。
しかし、これは、極めて個別具体的な話ですから、万人に合っているとは思えません。いや、合っていないでしょう。はっきり言って「暑苦しい」です。
それでも、「このままじゃ何か嫌だ」と思い、なおかつ「具体的な行動をしたい」と思っている人にとっては良い場になるのではないかと思います。自分は、過去出会ってきた先生方がしてくださったように、「成長できるような場」をどんどんと提供していきたいと思います。
また、私自身が成長途上です。発展途上です。そして、これから教育者として、研究者として成長していくためにも学生の皆さんの力が必要だと思っています。一緒に成長していきたいという(心の広い)学生さんに応募してきてほしいなと思います。
加えて、本学以外の学生さん、あるいは企業の方に関しては、是非「場」を提供するためにご協力お願いできればと思います。何があっても必死に頑張る責任感のある学生と一緒にプロジェクトやりませんか(まだ、見ぬなのですが)。