キッザニアに見る親から与えられた環境

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 先日、東京大学の中原先生 @nakaharajun のご紹介で、キッザニアの見学に行ってきました。

 キッザニアとは、次のような場所です。

キッザニアは、こども達が好きな仕事にチャレンジできる、こどもが主役の街。お給料としてもらったキッゾ(専用通貨)を買い物や習い事に使って楽しみながら社会のしくみを学べます。キッザニアでのリアルな社会体験を通して、こども達は未来を生き抜く力を育てます。

 もう既に、一緒に行った方々のブログはアップされていますので、そちらもご覧ください。お二人とも、とても真摯に物事を考えられる方で尊敬しています。年下というのが信じられません。

「経験」と「対話」はセットでどうぞ:キッザニア東京に行ってきた! tate-lab.net
キッザニア東京に行ってきた! tomokihirano.com

未知の世界

 キッザニアは、子供が職業を体験するための場所です。そのため「16歳以上の保護者1名以上と、3?15歳のこども1名以上の組み合わせでご入場ください。」というような入場制限があります。当然のことながら、女性専用車両や、デパートの下着売り場コーナーと同様に、独身男性は「招かれざる客」といった雰囲気です(勝手に感じているだけかも知れませんが)。

 実は、常々「行きたいな」とは思っていましたが、その機会を持てずにいました。今回、このように見学に招待してもらい大変貴重な機会を頂きました。

子供達のドヤ顔

 印象に残っているのは、子供達の「ドヤ顔」です。つまり、「どうだー、すごいだろー」という顔をしているのです。

 ピザーラのブースでの事です。ピザ屋のユニフォームを着て、ピザの本当に簡単なトッピングをして、ピザを親の所に運ぶというとてもシンプルなプログラムを行っていました。しかし、それに取り組む幼稚園から小学校くらいの子供が、本当に真剣に取り組んでいるのです。あたかも本当のピザ屋になって、ピザを生地から作ったかのような顔をしているのが印象的でした。大きな達成感を持っているのではないでしょうか。

 その他に、大和証券があったり、DNPがあったりと、個別に体験させる事はできるだろうが、これだけ集中している所は他にないと思います。特に、「子供が直接興味を持たないであろうもの」を体験できるところがすばらしいと思います。是非、大和証券あたりで、金融に対するネガティブイメージを払拭して欲しいと思いました。

親が与える環境

 体験をしてみて思った事は、こうした場所にこれる子供は幸せだなという事です。当然、子供がキッザニアの事をネットや雑誌記事などで調べてきて、親に連れて行ってくれと言っているとは思えません。間違い無く、親が自分の子供にこうした機会を体験させようとして、連れて行っている事でしょう。こうして、子供教育のために、機会を作り出そうとしていること自体が特筆すべき違いを表していると思います。

 最近、twitterやfacebookなどで個人の日常が簡単に共有されるようになりました。自分の周りには、「学びに熱心な」層が多いからでしょうか。日常的に子供とワークショップに通っていたり、美術館に行っている様子が流れてくるのです。それはとても「自然」です。しかし、自分自身そういった経験はありません(別に親を非難しているつもりは毛頭ございませんが)でした。美術館に行くという事は、どうしても「非日常」なのです。

 子供の教育というと、「小さい頃からの英才教育」として、英語だの、ピアノだの、お受験だのと言われていますが、それらは、極論すれば「金さえだせば」手に入れられるものです。しかし、日常的に美術館に行くという習慣は、お金を出したからと行って得られないでしょう。親の側に一定以上の「教養」が求められるからです。

 有名な、セサミストリートの実験が物語るように、子供の学びにおいては「親の介在」が影響を与えるのだなと感じました。こういった環境(つまりこの場合は親)を持った子供達は、素晴らしいものとして是非とも享受して欲しいです。その一方で、仮に持っていなくても挽回可能なリソースは用意されているべきかなと思います。
 
 教育論にまで踏み込むつもりはありませんが、当事者(子供)以外の要素によって、環境に差が出ることは致し方ない事ではありますが、できる限りそういった要素は取り除いて行きたいと思っています。これは、一般的な「べき論」ではなく、持論ではありますが。

 その意味で、ある種「金を出せば」(といっても、ディズニーランドよりも安いですよ)、作り込まれているプログラムを体験する事ができるキッザニアというのは、とても意味があるものだと思いますし、是非子供達に体験させてほしいなと思います。

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