少し、専門的というか、研究に近い内容も書いていこうと思います。
職場での学習の事をWorkPlaceLearning(ワークプレイスラーニング)と呼びます。
職場学習論として、東大の中原先生が第一人者でしょうか。
これまで職場と言えば、社員が集まって仕事をすることが暗黙の前提とされてきたと思います。しかし、その前提は大きく崩れています。
目次
いくつかの変化
変化というのは、ICTの発展、もっと具体的にはSkype等の技術の発展により、特定のオフィスを持たない企業が増えてきている事にあります。特に、中小ベンチャー企業(スタートアップ)においては、本社はアメリカで、技術者はヨーロッパ、アジアに偏在しており、日本にも何人かいますよ、なんていう企業は結構あるわけです。
日本ではまだ一般的ではないのかもしれませんが、コスト的な事から考えれば、極めて合理的な選択と言えます。かくいう私も、このブログをスターバックスから書いている訳ですが、ノートPCと通信環境さえあれば、別にどこでやっていてもかまわない訳です。こういう企業は今後増えていくものと思われます。そして、その変化は、セキュリティ等からの問題から、中小企業の方が先に来るのではないかと思います。
ICTによる変化
さて、そうした時に課題となるのは、人はどういう時に成長するのかという事です。職場学習においては、上司や部下、同僚とのつながりから学んでいると言われています。経験則からも、OJTがあります。OJTというのは、他者の介在があって初めて成り立ちます。(書くと長くなりますので、詳細は割愛)
そうした他者の介在が、変化をするわけです。すなわち、ICTを介した介在になる訳です。この場合、どのような変化が訪れるのでしょうか。それは、従来のそれと何が違うのでしょうか。この辺りが一つの興味関心事です。
今、やっていること
今は、先行研究を調べる事とともに、ある企業に参与観察に近い形でのインタビュー調査をしながら、従来型の企業における人が育つ瞬間について調べています。また、人が育つという事が企業経営において、限定的には経営者が組織に関する意思決定をする際に、また、戦略を描く際にどのような変化をもたらすのかという視点からも見ています。
まだ、始まったばかりなのです。
補足
昔から、営業や、在宅系の介護事業というようにそもそも一人で動く事を前提しているものもありました。こうした業種においては、これまでいくつかの研究が行われています。ジュリアン・オールのコピー機の修理工がどのように学んでいるのか等です。なお、これらの業種においても、昨今の人件費の削減ということから、1人の枠には1人しか割り当てない。つまり、ノービス(初心者)であっても先輩と2人で仕事をすることを、はじめから行っていない、あるいは極端に少ないというケースも少なくありませんので、状況は変化していると言えます。