目次
1.初めに
今回橋本ゼミが瑞木祭で行った体感型ゲーム『奪われたCCを取り返せ ―Missionアノ伝説ノ妖怪ヲ調査セヨ―』の講演の中でリフレクションムービーの撮影、最後に参加者へムービーの公開を行いました。
この中で私は参加者が体験型ゲームに参加している様子をムービーや写真に収める撮影スタッフとして参加し、撮影スタッフにならなければ気づけなかったこと、リフレクションムービーを取るにあたり、撮影スタッフに大切だと感じたことをまとめさせていただきます。
2.撮影方法
今回のリフレクションムービーは一公演につき撮影スタッフ2名、編集スタッフ2名で作成を行いました。以下の図は今回の体験型ゲームを簡単に分けたものになります。
青く塗りつぶされているところが撮影を行ったところになります。
リフレクションムービーは参加者がゲームに参加を決めた瞬間から撮影が始まります。リフレクションムービーは振り返るためにあります。参加を決めた瞬間からゲームまでの流れを凝縮し完成するリフレクションムービーですが、参加者がリフレクションムービーを見て面白いと思うのは“自分”が映し出された瞬間です。いかに「この時の私はこんな表情していたのか」と思ってもらうことが出来るかが一つのポイントと言えます。
さて、そんな参加者の表情を撮るにはどうしたら良いのでしょうか。私の結論は撮影者がいかに撮影を楽しむか、だと思います。しかし、ただ楽しいだけでは撮りたい表情は撮れず、楽しい中に大きな難しさがありました。撮影者はどんな点に気を付けて撮影したらよいのでしょうか。
3.撮りたい表情を撮るためには
今回のリフレクションムービーを撮るにあたり、一番の難点は撮影の対象が”人”だったことでした。モノや建物とは違って行動を予測することのできない”人”の中から望み通りの表情を撮影することは大きな壁となりました。
欲しかった表情は、考えていたり何かを達成したりした時の自然な表情でした。そんなふとした表情を最後に流すことで足を運んでくださった方に面白さと振り返りを与えることが出来ます。そんな表情を撮るためのポイントを三つにまとめました。
?全体の流れを把握する
始まりから終わりまでの一連の流れを細かく把握すること、これは撮影を行う上で土台となります。参加者が次、どこで何をするのか大体の行動を予測することで撮りたい表情を撮れる確率は格段に上がります。今回はゲームの流れと内容をしっかりと理解することが必要不可欠でした。この参加者は次どんな行動をするのかを予想したうえで今撮影したい表情を掛け合わすことで、撮影者はどうしたら望む表情を撮影出来るのかを導き出すことが出来ます。
一度逃した撮影のチャンスは二度と撮影することが出来ないため細かく把握、予想することが必要になります。
?パートナーとのコミュニケーションをとる
今回は撮影班2人編集班2人で各回のリフレクションムービーを作成しました。作成するにあたり、短い時間の中で作品を作り上げなくてはならないためゲーム中は話し合いをする時間はほぼありません。
リフレクションムービーの全体の流れを細かく把握しているのは編集スタッフのため、あらかじめ編集スタッフの頭の中の完成ムービーと撮影スタッフの完成ムービーを一致させておく必要があります。もちろん撮影スタッフの中でも打ち合わせが必要になります。撮影する瞬間の役割分担をすることでスムーズに撮影を行うことが出来ます。
詳しくはチームスポーツとしてのリフレクションムービーをご覧ください。
?会場全体を見る
参加者を重点的に撮るからと言って参加者だけ見ていればいいわけではありません。全体の流れを見ることはもちろん、パートナーが今どこで何を撮影しているのかも気にする必要がありました。ただでさえ凝縮している一回のムービーに同じような瞬間の写真は必要ありません。何よりスタッフが写真に写ってしまうことは世界観を壊してしまいますし、避けなければなりません。
さて、会場全体を見ようと思っていても慣れないとなかなか難しいものです。そんな時は全体を見ようとするのではなく、背中を壁から離さないように意識してみましょう。視野が広くなり、きっと撮影ポイントを見つけることが出来るはずです。そして、参加者の妨げにならない端のほうにいることを心がけることでいい表情を撮影できるチャンスが増えるのではないでしょうか。
4.更に撮影する『楽しさ』を『力』にするために
参加者に重点を置いて一つのゲームの流れを撮影する。意識してみないと気づくことのできない人間の表情は、撮影を行うにあたり一番大きな壁となりました。しかしゲームの流れを把握したり、全体の流れを把握することで行動が予想できる。編集者が欲しい表情を探している時のワクワクは私の視野を広げてくれるものでした。
しかし、今回の活動では体験型ゲームに参加しながら流れを把握していきました。ゲーム中に編集者からどんな構図やこんな写真が欲しい、という話し合いもたびたび行いました。限られた時間の中でこの話し合いの時間は撮影者の視野を広げてくれるチャンスを逃すことになってはいないでしょうか?言われる前にしっかりとミーティングを行っていれば考え予測し行動することが出来たはずだと感じています。
5.まとめ
今回、私は撮影者の視点からリフレクションムービーを体験しました。ゲーム最中に参加者から企画者、演者、編集者、パートナーの撮影者、全ての人や物に対して目を光らせなければならない中で何が必要とされているか次は何が必要なのかを常に考えなければなりませんでした。ゲームの流れをほとんど理解していなかった私ですが、それでも視野を広げることの楽しさ、大切さを感じることのできたリフレクションムービーは、全体の流れを把握するのにとても適しているのではないでしょうか。
もしあなたが何か企画を考えたり立てたりしているのならば、その企画が終わった時に見るリフレクションムービーを是非、撮影してみてください。リフレクションムービーを作るために今何が必要なのか、どうするべきなのかを考えることが全体を見直してみたり全体の流れを一通り考える機会に必ずなってくれるはずです。
執筆者:眞野遥香