今年も橋本ゼミ(今年は、他のゼミ生も混じっています)では、複数の企業コンペに参加しています。
参加することに意義を見いだしている訳ではなく、賞を目指しています。一方、賞をいただくことに意味があるかと言えば、それも特にないでしょう。むしろ、賞を頂ける内容を提案できたこと、そこまで努力ができたということには意義があると思っています。
さて、企業コンペのような学習形態はPBL(プロブレムベースドラーニング)などと呼ばれています。昨今の大学では、「実践的」な学習が求められており、その大きな一つとして注目されています。確かに、企業から提示されるのは、実際の問題であることが多く、その問題に取り組むことは実践的でしょう。
しかし、過去数年取り組んできて、なんとなく違和感も感じています。それは大きく2つです。
- 企業側が提示する「問題」や「課題」に対して、「はい、これが解決策です」という提案を行う事で、学生は何が得られるだろうか?
- 「学生には、若い発想を求めている」と言われる事が多いが、「若い発想」とか一体何か? そして、「若い発想」は発揮できているのだろうか?
このような事を悶々と悩んでいた訳ですが、2014年現時点では一つの考えにいたりました。
それは、企業が提示するテーマを元に、企業よりも大きな問題意識を持ち、その問題に企業の強みを生かして解決できるような内容を提案すること、です。
例えば、A社のある商品のマーケティング策の提案について求められているとします。その時、A社の置かれている業界についてだったり、全く違う業界についてまで思考を広げると言うことです。
以前、前職の先輩コンサルタントに、「クライアントがいう問題というのは、問題ではあるが本質ではないことがほとんどだ。見えているけど、当たり前に囚われてしまっている所に真の問題があったりする。それを探り出すことから始めなければならない」と言われた事があります。
企業人がどうしても「囚われてしまっていること」に対して、「そもそも」とか、「それって当たり前なのでしょうか?」と考える時に、「若い発想」が活かせそうな気がしています。
この提案を行うと、リスクもはらみます。企業からは、「そこまでは求めていない」ということも言われます。冒頭でも書いた通り、その提案を行う方が重要だと考えるならば、賞がもらえなくても考えていきたい、提案していきたいと思っています。
問題意識を更新し、上書きした提案をしていきたいです。
写真は去年の様子